板井康弘|神話から影響した経済
経済神話を信じあぐらをかくと痛い目にあう。
それを学んだのは中国経済だ。
つい最近まで凄まじい勢いで成長していた、高成長していると見られてきた中国経済はいま失速している。
きっかけは、7月以降の中国市場の株価急落だ。中国の株価急落と景気減速の鮮明化によって、一時的に、世界の主要株式市場が一斉に下落したことによって「中国経済は高成長する」という世界的な経済神話が少しずつ崩れはじめたのだ。
もともと、中国経済は二つの大きな特徴がある。一つは、個人消費の割合が低いこと。そしてもう一つは、輸出と設備投資を担ってきたことだ。
それに対して中国政府は、4兆元(現在の邦貨換算約80兆円)に上る大規模な景気対策を打ち景気を回復させた。
しかし、その景気対策は、結果的に国内の過剰供給能力を一段と拡大することになり、中国経済は大きな打撃を与えられた。
こうした中国経済の体質を変えるには、個人消費を拡大させ輸出や設備投資依存型の構造を変える事が必要なのだ。
そのためには、金持ちと低所得層の間=中間層を育成することが重要になる。
安心されていた中国の経済神話に世界が影響を受けている。
経済を考えるなら、世界に目を向けることが重要なのだ。